寄稿

伊達判決に関する米国公文書館公文書公開と内閣府・外務省・最高裁ほかに
対する情報開示請求行動について

2009年3月25日
砂川事件元被告人代表:土屋 源太郎

1.米国公文書館公文書において新原昭治氏によって発見された電文は、判決の出た夕方に、米国務省に対し「重大な事態である。」と打電し、翌日朝8時から藤山外相と会談し、跳躍上告を認めさせ閣議での協議を確約させています。
また最高裁で裁判が始まっている時に、田中最高裁長官と密談し早期に破棄するための判決を出すことを確約させています。
私達元六被告人は、この様な行為は絶対に許せないとして、まず日本の内閣府、外務省、最高裁に対してこれら一連の行為の全ての内容を公開させるため、3月5日に情報開示請求を提出しました。
この闘いは、50年経っても生き続けている「安保条約は違憲」とした伊達判決の正しさを証明すると共に、憲法9条をはじめとする平和憲法を守る闘いにもつながっていると確信しています。そしてまた、国民の知る権利である情報が闇の中に捨て去られていることも許すことができません。情報開示制度を成熟させていく闘いにもつなげたいと考えています。
2.安保条約違憲判決を破棄するための日米の陰謀
砂川事件裁判で「安保条約は違憲であり、被告人全員を無罪」とした一審・伊達判決が出されて3月30日で50周年を迎えます。
砂川闘争とは立川米軍基地拡張のため、民有地の強制収用に反対する地元反対同盟を支援して労働者・学生が共に闘った闘争です。
砂川闘争は1955年から1957年にかけて闘われました。第3次闘争で抗議のため基地内に立ち入った労働者・学生が多数逮捕され、うち7名が起訴されたのが私達です。
当時、新日米安保条約改定作業を進めていた日米両国は、この判決が「大きな障害となる」として早期に破棄すべく協議し、同年12月16日、跳躍上告により最高裁は「米駐留軍は合憲として一審への差し戻し判決を下したのです。
昨年4月、日本の著名なジャーナリストである、新原昭治氏が米国立公文書館で、当時の駐日米国大使マッカーサーが伊達判決をつぶすため、外務大臣:藤山愛一郎と最高裁長官・当時件裁判長:田中耕太郎と密談した内容の電文を発見し、公表したのです。
いま、ソマリア沖での武器使用・アフガンへの自衛隊派遣など、(日米の密約により)日米両政府は、国民を危険な戦争に駆り立てようとしています。
安保条約を破棄し憲法9条を守るため、この情報開示請求行動で闘うことが必要なのです。3月5日はその第1歩です。これから長く続く闘いを覚悟し、より多くの方々と連帯して運動を進めていきます。以 上

今後の予定
第2回口頭弁論
4月22日(水)午前10時15分 東京地裁631号法廷
資料
● 訴状
        (PDFファイル 約210キロバイト)
● 被告=国 答弁書
        (PDFファイル 約2.3メガバイト)
● 「岸信介はCIAのエージェントだった」
        (PDFファイル 約1メガバイト)
● 情報公開請求(1年ごとの更新について)
        (PDFファイル 約30キロバイト)
● 情報公開請求回答(文書不存在)
        (PDFファイル 約70キロバイト)
配布文書
● 沖縄で配布する安保無効訴訟ビラ
        (ワードファイル)
LINK
日米安保条約無効訴訟の会(代表 長岩 均)