CALLS★INTERVIEW
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高橋 信治(たかはし しんじ)

(有)ティーズギター(長野県塩尻市) 代表取締役。1961年10月生まれ。工業高専電気科で学んだ後、電機メーカ、楽器メーカを経て23歳の時に(有)ティーズギターを設立する。

エレキギターのオーダーメード・リペア・相手先ブランドでの製造などを手がけている。高橋さんはオーダーメイド、リペアー全般、ウクレレを担当。97年位よりウクレレの製作を開始、「NANCY」ブランドのウクレレはティーズギターによるもの。
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99年は日本メーカからも数多くのウクレレが発表されました。ブームに乗じての参入が多い中、数年前よりウクレレに魅力を感じて、コツコツとウクレレを開発・製作しているメーカがあります。エレキギターやベースのオーダメードをメインにした(有)ティーズギターです。今回は、ティーズギターの代表取締役で、ウクレレ開発担当でもある高橋信治さんよりウクレレ製作にまつわるお話をお伺いしました。
コールズ  ウクレレを手がけようと思われた背景は何でしょうか?

高橋 エレキギターだけではなく、将来的にはアコースティックギターも手がけたいな思って、まずウクレレからやってみようということで始めました。そしたら見事ハマりまして。(笑)それにエレキと違って、今まで楽器に触れた事の無い人でも気軽に始められそうな楽器っていう意味でも興味がありました。より多くの人に楽器を演奏する楽しさに触れてもらいたいってのが僕らの望みでもありますしね。

コールズ ウクレレ自体にはなじみがあったのでしょうか?

高橋 タヒチに旅行に行った時、タヒチアンウクレレを手に入れて「面白いな」って自分で1本作ったんですよ。それを問屋さんに見せていたら「ハワイアンウクレレも面白いよ」っと言われて関心を持つようになりました。
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アフリカ産のゼブラウッドを使用したウクレレ(試作品)
そのうち「自分のウクレレ製作ノウハウを引き継いでくれる人を探している職人さんがいるんだけど」って紹介されて、その方の所に通って勉強したんです。「NAKANISHI」ブランドのウクレレを製作している中西楽器製作所の中西さんです。ウクレレの製作ノウハウは中西さんに仕込んでいただきました。

コールズ これまでエレキギターを手がけてこられた訳ですが、ウクレレを製作してみてどう感じられましたか?

高橋 ウクレレってシンプルな構造なので加工自体はわりと簡単に進むんですが、素材と作り方がダイレクトに音に影響するんです。これは面白いと思いましたね。エレキってピックアップの性能とか細かい点では色々あるんですが、商品の差別化って難しいんです。
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ABS樹脂のウクレレ:別名風呂レレ(試作品)写真ではグレイがかっていますがパールホワイトです。
ところがウクレレの場合、マーチンはマーチンの音、カマカはカマカの音ってするじゃないですか。別に何か特殊なことをしている訳じゃないのに独特のサウンドがある。すごく奥が深くて興味がつきないんですね。ですから今、いろいろな素材を試しているんですよ。個人的にはウクレレは知れば知るほどキュートで手放せない感じですね。自宅にもウクレレがゴロゴロしていて、妻に迷惑がられています。会社で「試作」と称して作っても殆ど自分のためと思われているでしょうね(笑)

コールズ ティーズギターさんが目指す「ウクレレの音」ってありますか?

高橋 ティーズギターはオーダーメードを主体としたメーカなので、ウクレレについてもお客様が望む「ウクレレの音」を実現するメーカを目指したいですね。お客様が望む「ウクレレの音」を追求する中でティーズギターの「ウクレレの音」というのが出来てくればと思っています。
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クスタア・クスタアと。(インタビュー後のライブにて)
コールズ ウクレレを自作する人たちがインターネットでも作品を発表していますがプロから見てどのように感じていますか?

高橋 アイデアについてはプロもアマもないですからね。「参りました」という時もあるし「あ。これはいただき」なんて思うことも(笑)こちらはメーカですから部品も工具も揃っていますが、アマチュアの方はそういう訳にはいかない。想像もつかない発想で部品を調達したり工具自体を作られるんですよ。フレットワイアー(フレット)をどうやって調達したか、電車模型のNゲージの線路を利用したというのには頭が下がりましたねぇ。

コールズ 自作派の方のためウクレレのパーツを販売するという需要がありそうですね。

高橋 実際、部品を分けて欲しいとメールをもらうこともあるんですよ。ものによっては相談に応じることもできますので気軽にお問合せいただければと思います。よろしくどうぞ。
(99年 10月 東京・新宿にて)

オーダーメードが事業の主体だけあって、個々のお客様を大切にする姿勢がインタビューを通してうかがえました。エレキギターやベースに次いでウクレレの事業もティーズギターさんの柱になることを願ってやみません。

(T's Guitarのホームページはこちらです)

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