Collector'S Ukulele Series Maccaferri Islander Ukelele
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プラスティックが初めて登場するのは1835年。フランスでのポリ塩化ビニール粉末の発見にさかのぼります。 その後、合成樹脂の開発が進み、色々な形態の合成樹脂が開発されます。 そして約100年後の1940年中期以降は、プラスティックの文化が世界中の生活の体系を変えるまでに開発され、ありとあらゆる物がプラスティック加工で生産される様になります。 |
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![]() ![]() ![]() 今回はそのプラスティックを使って作られたMaccaferri(マカフェリー)社、Islander ukeを紹介します。 1949年から1969年までに製造販売されたプラスティックウクレレの数は900万本に至り、すべてのPlastic Uke のルーツとなるのがマリオ・マカフェリーが40年末に生産を開始したウクレレです。 ![]() ウクレレやギターなどの楽器をプラスティックで作る発想は、当時の普通の人にはとても考えれられない発想で受け入れられる訳がないとも思われていたそうです。 ![]() ![]() ![]() 日本ではあまり見かけないかも知れませんが、アメリカではプラスティックで作られたウクレレは、アンティークショップ、コレクタブルショップ、ビンテージを扱っている楽器店などで見つける事が出来ます。 ![]() マリオ・マカフェリーは1940年代からプラスティック加工技術で再度、その名を世に響かせますが、そこに至るには、本来ミュージシャンとしての本能から来るインスピレーションがあったに違いありません。 |
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![]() その後フランスに移り住み、ギターリストとしての活動を続けますが、演奏だけでは生活費が稼げず、1920年の終わりから30年初期、世界大恐慌の時代にギターの製作を始めます。 一流のギタリストであった彼のギター製作のコンセプトは、今までと違った発想により、後にDjango Reinhardt(ジャンゴ・ラインハルト)によって賞賛される事になるMaccaferri-Selmer Guitarを生み出しました。 ![]() その後、事故で手に怪我を負ってしまい、ギタリストとしての活動をあきらめ、発明家としてのマカフェリーの活躍がはじまります。すでにクラリネットのリードの製作を始めていた彼は、プラスティックを原材料としたリードの生産の可能性を追求すべく、1939年にその工場を米国・ニューヨークに移します。 社名は「French Reed Company」。第二次世界大戦を迎える頃には、リードの伝統的な原材料である籐、竹、サトウキビなどの茎の入手が困難になり、プラスティックリードの生産が大成功となります。 彼の作ったリードは、世界的なクラリネット奏者、Benny Goodmanがエンドースするに至る貴重な開発商品となります。 |
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![]() $5.95で市場に送り出します。(数年後には生産向上によるコストダウンで$3.95にまで値下げ) 彼の幸運は留まる事がなく、プラスティックで作られたウクレレは、当時とても人気のあった Arthur Godfreyがテレビに持って出演した事で、一挙に世に知られる事になり、生産が全く追いつかない程のヒット商品となります。 |
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![]() その後、デラックスモデル、子供向け小型サイズのUkette(ユケット)やバリトンサイズを製作し、プラスティックウクレレは絶頂期を迎えます。また、60年代にはスペシャルカラー(グリーン・赤・青・黄色・紫・パールロイド)も発表。(1953年にはプラスティックでギターの生産を開始、1964年に生産中止) ![]() 1964年に社名を「French Reed Company」から「Mastro Plastics Corporation」に変更。 翌年65年の同社のカタログにはウクレレ全機種、またバンジョーユークやバンジョレレなどがラインアップされます。1969年にプラスティックの雛形と製造権をCarnival Industriesに販売し、1981年に引退した以降も、彼のプラスティック加工による楽器製造の試みは止まる事はなく、1990年には、カーネギーホールで演奏されまでの完成度を誇った最初のプラスティック・ヴァイオリン生み出すに至ります。そしてその3年後、92歳にて他界。 ![]() Maccaferri Islander Ukeは、その完成度も高く、生産当初からおもちゃとしてではなく楽器としてしっかりとしたステータスを確立していました。ヴィンテージの楽器店などで見かけたら是非お手に取ってみて下さい。 ![]() (2007.March) |
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