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清水 峰生の
平成峰生記タイトル

kakko1第25回 「こだわりと柔軟性と」 '07.9.12kakko2

ukulele_imgハワイアンの人はスタイルにこだわります。
特に年齢を重ねている人にその傾向があるように見受けられます。いわゆる「ハワイアンはこうであらねばならない」と。
彼らが言う「こうであらねばならない」とは何なのか。
自分たちが若いときから好んでやってきたバンド編成・演奏テクニック・パフォーマンス、楽曲云々・・・・つまり「こだわり」です。そして新しい事に興味を持たず、変化を避けて、嫌う。
これも「こだわり」ゆえですね。

私は、極度の「こだわり」は音楽がもつ普遍性や自らの音楽的成長や発展を妨げていると常日ごろから思っています。
例えば、他のジャンルの音楽や楽器の奏法に興味を持たない。
やれ、「LOW-Gのウクレレ奏法はウクレレではない」とか、「何々は、カントリーのスタイルであって、我々には関係ない」とか、「今のハワイ音楽はハワイアンではない」とか色々・・・。聞く耳、見る目を持たない。何とも勿体無い話です。
他を知り、学ぶことは表現力の間口を広げ、己のパフォーマンスを成長させる事につながっていきます。 

それから「老い」も認識していかなければなりません。
いつまでも若い頃のテクニックで演奏できるか、正直、それは「無理」な話です。
その事に気づいていないのか、また気づいていても、それを認めたくないのか、かつてのテクニックにこだわり続けます。そして、結果的にいい演奏ができない。
人によっては「もうダメだ」とこれまで続けてきた音楽をやめてしまう場合もあるでしょう。これも勿体無い話です。

「手かずを少なくして密度を濃くする」そういう考え方ができていない。
そして、「老い」は必ずしも「劣る」事ではありません。年齢を重ねた分、その人生経験から醸し出される表現力が歌や演奏ににじみ出てくるはずです。
年齢相応に演奏テクニックを変え、歌い方を変えていく。
後は、聞く人がどう感じてくれるかです。

音楽を楽しんでいる方には、好きな楽曲があり、好きなアーティストやバンドがあり、それを極めたい、あこがれのアーティストの演奏に近づきたい、そういう想いがあると思います。しかし、その人そのものにはなりえない。
むしろ、各自が自分の個性やスタイルを好きなアーティストのパフォーマンスを自分の柱において、色々な音楽や演奏を聴き、自分がその時にベストである演奏法や歌い方を考え、改めていく。
そういう「柔軟性」こそ、本当に必要であり、音楽を生涯の友とすることができる秘訣だと思います。
                                                   (了)

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